予防医学の観点から、「ウイルスの予防策として今できること」を皆様に共有します。
新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスが世界中で猛威をふるう中、予防医学の知識や経験からどのような対策をすれば良いか、少しでも皆様の心身の安らぎと健康にお役に立てれば光栄です。
[1] 体内にウイルスを侵入させない対策
くしゃみや咳などによる飛沫感染対策
・高機能マスク着用
・人と一定の距離を保つ
ウイルスが付着した物などを触れた手で口や鼻、目を触って起きる接触感染対策
・無意識に手で口や鼻、目を触ることを防ぐ
・使い捨て手袋の活用
・帰宅後すぐに手洗い、うがい、できれば入浴もしくはシャワー
・ウイルスを除菌、消毒可能なカンファスイの活用
[2] 体内にウイルスが侵入しても重症化させない対策
粘膜を強化して免疫力を向上させる
ビタミンAは、皮膚や喉、鼻、肺、消化管などの粘膜を正常に保つはたらきをするため、感染症を予防し、免疫力を高める事に役立っています。
オメガ3系脂肪酸のEPAやDHAは、粘膜細胞を強化し炎症を起こしにくくします。
腸内環境を整えて免疫細胞を活性化させる
「免疫」とは、体内で発生したがん細胞撃退や、ウイルスや細菌などの異物から体を守るための自己防衛システムです。免疫の仕組みは幾つもの免疫細胞が協調しあって働いています。
・腸内環境を整える
免疫細胞の約6割は腸にいると言われています。腸内の免疫細胞を活性化させるには、腸内の善玉菌を増やし、同時に善玉菌のエサ(水溶性食物繊維、オリゴ糖)を摂る事です。
・NK細胞の活性化
NK細胞は、体内に侵入した細菌やウイルスを攻撃し退治してくれます。NK細胞活性が低いと、免疫力の低下により感染リスクやがんになるリスクが高くなっていきます。腸内環境を整え免疫細胞を活性化し、運動習慣、睡眠習慣を良くします。ポジティブな思考で過ごし、笑いながら感謝の気持ちを持って過ごしましょう。
白血球の活性化
白血球は血液やリンパ液中にあって、ウイルスや細菌のかつどうを阻み、それらを死滅させるよう働いています。普通ビタミンCは白血球中にたくさん貯蔵されています。ところが、風邪やウイルスなどの感染症にかかると白血球中のビタミンCは急速に減少するのです。そして病気が治ると、徐々に元の量に戻ります。多くの研究からビタミンC不足の状態では免疫能力が低下し風邪やウイルスにかかりやすい事が分かっています。また一般に風邪をひきやすい人は、白血球中のビタミンC濃度が低いという結果も出ています。不足分の補給というより、もっと積極的にビタミンCを摂る事で、風邪の予防に効果があった、あるいは症状を軽減したり回復を早める事ができたという報告もあります。
体温を上げる
免疫力が正常に保たれる体温は、36.5℃程度と言われています。免疫力は体温が1℃下がると30%低下し、逆に1℃上がると免疫細胞が活性化し一時的には最大5〜6倍アップするとも言われています。定期的な運動や毎日の入浴を心がけ、冷たいドリンクを飲み過ぎず、栄養バランスの整った食事をしましょう。
抗ウイルス効果・免疫力向上に役立つ栄養素
・カテキン
カテキンは、細菌にもウイルスにも有効です。ウイルスは細胞の中で増殖しますが、カテキンを取り入れるとウイルスが細胞につきにくい状態になるので、細胞内での増殖を抑制すると言われています。カテキンの中でも特にEGCg(エピガロカテキンカレート)は、インフルエンザ予防の可能性や免疫の働きをサポートすると言われています。
・ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸収を促進するなど骨の健康に欠かせない重要なビタミンとして考えられてきました。ところが最近の研究により免疫力を高め花粉症やインフルエンザ対策にも役立つ事が明らかになってきました。
・亜鉛
亜鉛は、多くの研究で人体の基本的な免疫機能において根本的な役割を支持しています。免疫細胞は日々の脅威に対応するために迅速に分裂しなければなりません。亜鉛には細胞分裂や新陳代謝を促す働きがあるため、適量を摂取すれば免疫細胞が活性化して免疫力を高める効果が期待できます。
・βグルカン
βグルカンには、免疫システムで重要な働きをする白血球に働きかけ活性化させて免疫力をアップさせアレルギーの予防や改善にも効果があると言われています。
非常事態なときにこそ真価が問われます。自分ができること(自分の思考と行動)にフォーカスして、どんな逆境になっても曲がらない他者への思いやりのある人間でありたいと思っています。この状況はいつか必ず回復します。予防医学に携わってきた意味や意義を再考し、今こそ他者と世の中に貢献でき、他者と世の中と自分を幸せに導ける事に確信を持っています。
まずは自分自身と大切な人の健康管理をしてください。
1日も早く世の中が良い方向に進むように祈っています。